読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

megamouthの葬列

長い旅路の終わり

プログラマが「出来ません」と言う日

長い間、フリーランスなどという「便利屋」をこなしていると、馴染みの顧客から、トラブったプロジェクトに急遽参画してほしいという、ヘルプ案件が入ってきたりする。 嫌かと言われるとそうでもなく、むしろ、恩を着せて(足元を見るとも言う)高単価を取る…

ソ連のテープレコーダー

Aさんは小さい頃、両親の仕事の都合でソ連時代のロシアの田舎に住んでいたことがある。当時のロシアの片田舎には外国人学校もなく、Aさんは地元の公立小学校に通うことになった。学校では日本人は相当珍しく、アジア系の人種が多いその地域でもAさんは目立っ…

フーという猫

派遣会社に務める京子さんの話。ドライブの帰り、どしゃぶりの雨となった。 路面の状態も悪く、横風も強いなか、京子さんの軽自動車は慎重に山道を下っていた。それでも車体がガタガタと揺れるほどだった。 対向車線から、京子さんとは反対に山道を登ってい…

「ホームページを作っています」

20世紀末から00年代の前半の話をする。かつてWebとは「ホームページ」のことだった。 Web屋とは「ホームページ」と、トップページのFlash、あとはそこに付随するちょっとしたお問い合わせフォームのCGIを設置するか、制作するのが仕事であると思われた時代が…

ロング イナフ

200X 真っ白な大地に長大な人の列がある。 皆、下を向き、前の人の動きに合わせて少しずつ進んでいる。永遠に落ちることのない日が無数の影を落としている。巡礼者の列だ。私は、そこから少し離れた場所で、煙草を燻らせている。 かつては私もあの列にいたの…

スタープログラマの幻影

最近久々に「スタープログラマ」という言葉を聞いた。そういえば、私の中にもかつてそういう存在がいたなあ、と思い出した。 あえて定義することもないが、スタープログラマとは、先進的なOSSプロダクツを実装し、ブログなどでプログラミングを堂々と論じ、…

かくして私は通知を再開した。今月の懺悔

さて、年度末ですね。読者の皆様方におきましては、さぞご多忙のことと存じます。 私は「なろう」小説を書いていました。 Books&Apps様に寄稿させていただきました blog.tinect.jp今月は一本だけですが、1月の勢いで寄稿させていただきました。寄稿する内容…

ディス オールド マン

1 夜の街に降るはずだった雨は、この寒さで雪になってしまったようだった。 人材エージェント会社の営業を待っていた関口は、折りたたみ傘をさしていたが、風に巻き上げられた粉雪のいくつかは、彼の野暮ったいコートに吹き込んでしまう。 地下鉄の入り口か…

Webディレクターだけど、異世界の開発会社に転生した -後編-

www.megamouth.info の続き 宣言(マニフェスト) 夕方、王宮から帰ってきた僕たちを、魔術師たちが心配そうに見ている。あと9日。仕様はかなり簡略化されたとはいえ、この世界の王宮魔術師たちのスキルは未知数だ。皆の深刻な顔を見れば、それでもこのプロ…

Webディレクターだけど、異世界の開発会社に転生した -中編-

megamouth.hateblo.jpの続き 執政官(アドミニストレーター) 翌日、僕とエイダとジャムスは、公爵の館に来ていた。エイダ「あなたの言うとおり、私の伝手で向こうの執政官とは話を通したけど、どうするつもりなの?」と、不安そうに言った。まだ何も成果物…

「作る」こと「語る」こと、その呪い

昔の恋人に名を呼ばれたような気がして、目が覚めた。彼女は時々夢の中に現れる。 そうした時はとても暖かく、いい夢だったと感じる。 おそらくは彼女は既に自分と統合されて内なる神となっていて、私はそれを「アニマ」という聞きかじった言葉で呼んでいる…

Webディレクターだけど、異世界の開発会社に転生した -前編-

megamouth.hateblo.jpの続き 炎上(バーストダウン) マクシミリアン公爵の執務室で、その哀れなエルフは震える手で羊皮紙を、公爵の座る重厚なテーブルに載せた。公爵「ふむ、これが義勇兵募集キャンペーンページの修正後のデザインというわけか」デザイナ…

プログラマの奇妙な待遇

クソ雑魚フリーWebエンジニアである私は、求人サイトが見るのが好きである。自分のスキルや経験を登録しておくと、中年の私にさえスカウトオファーが来るし、そこで提示される最高年収を見てほくそ笑んだり、たちの悪そうな人買い企業がユーザー企業に常駐さ…

かくして私は通知を止めた。今月の懺悔

ようやく、懺悔の時がやってきました。 今月は本当に調子が悪かった。どうも文章に納得がいかないことが多く、もがいていた訳ですが、 アクセス数とか、反響的には、今月のエントリが一番すごかった、というのがなんとも皮肉な印象です。 「なぜプログラマは…

みそねこを偲ぶ

思い出の中にしかいない人、それも面識があったわけではなく、 その「作品」を通じて知っているだけという人がいて、2年ほど前、私は彼の訃報を聞いた。彼の名前は「みらゐ」。ゲームミュージックの作曲家で知られ、同人音楽やバンド活動でもその名を馳せた…

なぜプログラマはあなたの事が嫌いなのか

営業やマネージャーにとって、現場にいるプログラマというのは扱いづらい存在である。飲み会などで、普段の彼らを観察してみると。同じエンジニア同士で固まってボソボソとよくわからない話をして、控えめな声で笑っており、総じて温厚で、扱いやすそうな人…

マッド・ワールド

先輩がデスクにやってくる。 今年四月に入ったばかりの僕のデスクには椅子が一つしかないので、ディスプレイを見るために、先輩は自然と僕の脇にしゃがまなければならない。 それはまるで、先輩が新米エンジニアである僕に跪いているように見える。そうして…

SoundCloudという砂漠

先日、「お前の曲はcoolだ、俺たちがプロモーションしてやる(から金よこせ)」的なスパムメールが来た。 ネットに自分の曲(といっても、もう15年前ぐらいに作った曲ばかりである)を残していた覚えはなかったのだが、 書いてある曲名は確かに私の作った物…

「すごいエンジニア」が目指すもの

crapp.hatenablog.comを読んだ。id:Cedilleさんは、数少ない私の同好の士(一緒にされても困るだろうし、文章も怨念も私のレベルを遥かに凌駕していると思うが)だと感じている方で、 いつも楽しく読ませていただいている。 で、このエントリを読んだ感想と…

Books&Appsに寄稿させていただきました。あと、今年の懺悔

Books&Appsに寄稿させていただきました どういう成り行きによるものか、見当もつきませんが、Books&Appsの安達様にお声がけいただき、この度、拙文を寄稿させていただきました。blog.tinect.jp不倒城のしんざき様や、シロクマの屑籠のシロクマことid:p_shiro…

プログラマの美徳

これの続き 午前2時に目が覚めた。確か悪夢を見ていたような気がする。 目を開けると、寝室の壁中に文字が浮かんでは消える幻が見えた。 僕は特に驚くでもなく、ベッドに身を横たえたまま文字に目を凝らす。 漢字ともひらがなともとれない文字は、全く読み取…

汎用機とその風景

マウント 1999年頃だったと思うが、小学校からの幼馴染と会う機会があった。その頃、私はまだ大学生で、幼馴染は高校を卒業して、なんとか情報サービス、という名前のIT系の会社に就職していた。 思い出話に花を咲かせた後、お互いの近況に話が及んだ。 私は…

沈黙のプログラマ

プログラマと言えば寡黙、というイメージがある。実際のところ、彼らは寡黙というよりはプログラム以外の話をするのが苦手なだけで、専門分野について話を始めると、こちらが驚くほど饒舌であったりもするものだが、アルゴリズムの計算量の話をしない普通の…

例えば勝手に夜が明けてしまうこと

目が覚めた時は、すでに夜の0時であった。 私は、猛烈に腹が減っていた。近所の住人に気が付かれないように、玄関の扉を開けると夜の街が静かに開いた。コンビニにたどり着くと、誰もいない店内で目についた不健康そうな食料をカゴに放り込んで、無表情な店…

Welqは信用できない。では何を信用すべきなのか?

もはや古い話題ですが、WelqというDeNAが運営する医療情報キュレーションサイトが公開停止しました。www.itmedia.co.jp経緯としては、上記の記事なり検索するなりして各自調べていただければいいと思いますが、ようするに、クラウドソーシングで集めたライタ…

0円贖罪という儀式

システム構築の仕事につきものの話で、なんらかの問題があって、システムが納期に納品できない時、または納品したシステムに問題があった、などの事態が起こった時に、この業界で必ずたまに行われることがある。まず、下請けである我々の営業とPM、時には私…

無N.O.の人

「頭の悪い奴にはできないが、本当に頭の良い奴はこんな仕事はしない」とは、ある戦闘機パイロットの言葉らしいが、プログラマも似たようなもので、多くの技術書や、他人のコードを読み下し、膨大な知識を頭の中に放り込まないとまともなプログラムが書けな…

はいはい。みなさん。落ち着いて。

間違いですよ。 詳しくは、書けませんが、先日、僕の方から病院に行ったのです。 相談の内容は、いつのまにかブログがBuzzって1000ブクマとか10万アクセスとかいったことです。 そしたら、逆に疑われてしまいまして、尿検査をうけました。 何の、問題もあり…

消えたプログラマの残したものは

システム開発の佳境に、開発メンバーが突然出社しなくなってしまう。携帯にも連絡がつかず、3日ほど音信不通になったので、さすがに心配になった上司が大家と共に自宅を訪れると、夕日が差し込む部屋の真ん中に、当の本人が何の表情も浮かべずにただ座ってい…

業務改善を現場に求める狂気

前回までのあらすじボトムアップ型業務改善の代表格であるトヨタ式カイゼンが多くのIT企業に適用できないことを悟って絶望するmegamouth。錆びた斧を交換できない木こりはやはり愚昧なのだろうか?それとも我々はトタン屋根の上の猫のように日が傾くことをた…

カイゼンできない業界もあるんですよ

brevis.exblog.jpを読んだ。 要約すると、「業務改善には一時的にコストがかかるけど、そこは頑張ってやらないとジリ貧になるよ」ということなのだが、末端のフリーランスIT土方の立場から言わせてもらうと「知らねーよ」という感想しかない。まあそれだと話…

最近の懺悔、夢日記について

前回のエントリを力を入れて書きすぎてしまった感があって(実際に亡くなった方がいる以上、真剣に書かねばならないのは当然の事ですが) その勢いで書こうと思ったこともあったのですが、今回は特にテーマも決めずにダラダラすることにします。 ブログ読者…

ITシステムは高橋まつりさんを救うことができたか?

最近、電通を始めとするネット広告界隈が騒がしい。私は純然たるWeb屋で、しかもアプリケーションよりの人間なので、アドネットワークもネット広告業界の構造もさっぱり知らないし、電通社員様などという天上人の仕事ぶりなど、それこそ想像すら及ばない世界…

Emacsという沼

最近、マイスリー(睡眠導入剤)の影響なのか決まって悪夢を見る。今日の悪夢は格別で、年下のエンジニア達が口々にEmacsをDisってきて、私はムキになってEmacsではこれが出来る、あれが出来ると主張するのだが、それら全てがSublimeTextで出来ると言い返さ…

大学を中退した男の末路、あるいは瓦礫を歩むということ

幼い頃、私は世界はいずれ滅ぶものだと思っていた。ある日、兄と朝食を食べていた時に、核戦争か何かで文明が滅び去ってしまったら、私は政治家になって瓦礫の世界を復興するのだ、と言った。もし世界が滅ばなかったらどうするのか?と兄はバカにしたように…

なぜ(一部の)人はサービスを作り(作らせ)たがるのか?

最近目についた言葉に「労働者は時間を切り売りする。金持ちは仕組みを作る」みたいなのがあって、言葉そのものについては、はーそうですか。としか高卒フリープログラマとしては言うことがないわけですが、この「仕組み」とITサービスについては言いたいこ…

SIerについて僕が知っていること

getlife.hateblo.jpという記事があって、paizaお得意のポジショントーク煽りにSIerで頑張ってるオジさんがブチ切れといった構図の話なわけだが、元のPDFすら読まずにイケてる環境のWEB系の労働生産性がイケてないSIerのたった三割しかない件 - プロマネブロ…

プログラマだけど異世界の開発会社に転生した

最適化(オプティマイゼイション) ジャムス「どうもページの表示が遅いんだ。多分Javascriptが重すぎるんだよ。どうしたらいいんだろう?」エイダ「しょうがないわね。ふーん。まずJqueryのappendが多いわ。DocumentFragmentやinnerHTMLをもっと効果的に使…

罵倒おじさんの喪失

今朝からずっとテレビが台風の接近を繰り返し警告しているのを知っていたので、駅舎のアナウンスで数十回も「申し訳ありません」と謝られなくとも、この電車で目的地に行き着くことができないことはよく理解できた。私は、道の半ばにして止まってしまった電…

ここ最近の懺悔

カクヨムに書いてみた話 ここに文章を載せるついでに、昔書いたそこそこ長い一連の文章(例によって途中で放棄されていたものですが)が見つかって、読み返してみるとそこそこにおもしろいような気がしないでもなかったので、カクヨムに載せてみました。kaku…

夏が実際には来なくて、ワクワクするような、虚しいような、あの時が、ずっと続けばいいのに

ショッピングモールの冷房が効きすぎているわけでもないのに、この喫煙室が妙に肌寒いのは、もう9月も半ばになっているせいというだけではなさそうだった。 黄ばんだ液晶テレビは、海で楽しそうに煙草を吸う男女を繰り返し再生し続けていて、まるで、この汚…

僕と先生について

はじめに断っておくと、僕は老朽化したアパートの一室にある壁の染みだ。 煙草の煙ですっかり黄ばんだ壁紙に染み付いた、見ようによっては人型に見えなくもない黒い影のようなもの、といった外見をしている僕は、普通考えられるとおり、人格を有してはいない…

遠い音楽

音楽が、孤独な人間の味方であり、夢であった時代があった。夕暮れの強い西日の差し込む自室に、浅く埃のかぶった黒く大きなラジカセが奏でる音が、受験勉強に勤しむ青年の心の支えであったり、本を読み空想の世界を旅する少女に寄り添えていた時代があった…

空(くう)について

何かの原因で社会から追い出されると、もはや周りには何もなく、それまでやってきた事や記憶を頼りに暗闇を漂うよう事になる。当人としては、そうなっても「過去」がか細い糸となって、辛うじて社会につながっているし、「能力」という金銭でしか表現できよ…

零細受託Webプログラマーの生き様

masarakki.gitbooks.ioというのがあって、ホンホンと読んでいたのだけど、どうも彼の言うWebプログラマというのは、はてなやDeNAやサイバーエージェントのようなASPやってる会社のインハウスプログラマのことのようだったので、ああそうか、俺はWebプログラ…

Perl6リリースに寄せて〜PHPと仏教、あるいはプログラマにとっての救済とは何か

http://developers.srad.jp/story/15/12/26/2217221/というわけで、Perl6がリリースされました。僕はLarryWallはPerl総本山の深奥にある部屋で即身仏と化しながらPerl6を開発し続けていて、側近がそこにコーヒーとドーナッツを毎日お供えしているという「Lar…

ソースでわかるSixapart転落の歴史

【重要発表】 シックス・アパートは2月1日に、新しい体制に生まれ変わります! http://www.sixapart.jp/news/2011/01/21-1700.html 早い話が身売りである。WordPressなどの競合を排して独自に日本市場を切り開く体力も技術的優位もないのがはっきりしたとい…

今すぐ「サイバーエージェント公式エンジニアブログ」を購読すべき10の理由

年収100万以下の底辺フリーランスWebエンジニアの僕は、いかに自分が糞虫で、社会の害悪でしかないかを日々自覚するために、すばらしいエンジニアたちのブログに目を通すことが多いのですが、最近読んだ「サイバーエージェント公式エンジニアブログ」のエン…

わずかのまこと

自分の感情や意志とは異なる独立した意識が自分の中にあることに気づいたのは何時の事だったろうか。 夢想癖のあった少年時代からそれは存在していたような気もするし、あるいは私が鬱病と診断されたごく最近のことのような気もしている。 ある冬の日、私は…

プライバシーポリシー

情報の取得 クッキー 情報の利用 コメント欄などにおける注意事項 当サイトが利用・提携しているサービス アクセス解析サービス アフィリエイトプログラム A8.net Amazonアソシエイト・プログラム 情報の取得 当サイトでは主に次の方法によってユーザーの情…