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megamouthの葬列

長い旅路の終わり

人売りIT企業とアウトサイダー達の物語

axia.co.jpというエントリを読んだ。 書かれている内容は大まかに事実だし、「人売りIT企業滅ぶべし」という主張にも賛成である。私自身も、何の付加価値も生み出さず、プロジェクトリスクも引き受けず、登録制の特定派遣制度がなくなったとたん、SESとか準…

二つの邂逅とその対話

崑崙に至る山麓の途中、網中と呼ばれる谷に小さな草庵がある。というよりあった。 そこには過去に偉大な仙人が住んでいたとも言う人がいるし、いや、あれはただ取るに足らないことを言うだけのペテン師であったという人もいる。ともかく、今、その草庵は荒れ…

司祭としての医師

以下に、人の死について、非常に生々しい話を書く。 なので、直近に肉親を亡くされた方や苦手な方はご遠慮いただきたい。 news.livedoor.comというネットニュースを見た。 そもそも私はくわばたりえが好きではなく、それは彼女が仕事として代弁しようとして…

302号室の住人

デザイナーの山内さんが独立したのは3年前のことだった。「さっそくデザイン事務所を借りようと思いましてね。都内でオフィスを探したんですよ」 ひとまず一人用のこじんまりとしたオフィスでも、というつもりだったが、 都内、という条件では家賃も保証金も…

漫談・フロントエンド談義

(出囃子)あー本日はお日柄もよろしゅう… え?そないな挨拶はええから、はよ、おもろい事言え? 今日はお客さんはプログラマばっかりやから、せっかちでんな。短気も美徳のうち言うわけやけども、わしも、ただの大阪のおっさんやさかいね、そない、おもろい…

ダーク&ロング

1 ほとんど暗闇のフロアに小さなスモークマシンが出した煙。そこに申し訳程度のレーザーが光る。 壁面にはVJの映像がプロジェクターで投影されているのに、WinAmpのVisualizationそのままで、僕はVJのいるブースを見上げたが、彼はリズムに乗りながらDJの名…

あるいは静かな春の日々、今月の懺悔

こんにちはmegamouthです。 今月は時が流れるのが早いような、まあ多分仕事の都合でそう感じているだけでしょうが、 4月最後の日、審判の時、今月の懺悔です。 Buzzらない日々 結果論ではあるのですけど、どうも今月は腰が引けたエントリが多くて、ひとっつ…

33歳のベースボールゲーム

「自伝を書けば5万円くれるってこと?シマさん本当にいいの?」 木村さんは意外そうに言った。 「いいですよ。ただし、ある程度長くないとダメですよ。4万字は書いてください」 私はきっぱりと答えた。「原稿用紙100枚分でしょ。自然に書けばそれぐらいにな…

就職氷河期世代について私が言える事

anond.hatelabo.jpを読んだ。なかなか怨念と諦念が込められた、いいエントリだと思った。さて、私も一応は氷河期「世代」の末期に属するわけだが、このエントリの筆者と違って真面目に生きる気が欠けていたし、大学を卒業していればそれなりに生計もたてられ…

増田で身バレさせたけど、とっくに過去の人間になっていた話

まだ懺悔の時間にはなっていないのだが、書こうとしていた話が思ったよりも厄介なので少し息抜きのエントリを書こうと思う。先日twitterで気まぐれに4年前に増田に書いたエントリを自分が書いた、という発言をした。 一応信用されるように、増田を編集して…

ダブリンのジョイス、蜂蜜と美味しんぼ

始めに断っておくが、この話にオチはないし、特に教訓めいた結論もない。最近の痛ましいニュースと共に、うむ。「蜂蜜は乳児に与えない」って話を、みんながいつ、どこで知ったかってのには、ちょっと興味がある。常識っていうほど常識だっけ?というか。妊…

学歴別!中小企業のIT技術者就活ガイド

今日から新年度である。新卒の読者諸兄におかれましては、おそらく最初の出社になるだろうから、さぞ緊張と期待で訳が分からなくなっているかと思うが、どうせ当分は大したことはやらせられないから、まあ肩の力を抜いて適当にやっておいてもらえれば良いと…

広告を貼ったりもしたけれど、私は元気です。今月の懺悔

年度末もそろそろ終わりですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。 月末までは少し日がありますが、なんか面倒なので、さっさと懺悔を済ましたいと思います。 Books&Apps様へ寄稿させていただきました blog.tinect.jp少し趣を変えて、啓蒙的な「主張」を入れ…

プログラマが「出来ません」と言う日

長い間、フリーランスなどという「便利屋」をこなしていると、馴染みの顧客から、トラブったプロジェクトに急遽参画してほしいという、ヘルプ案件が入ってきたりする。 嫌かと言われるとそうでもなく、むしろ、恩を着せて(足元を見るとも言う)高単価を取る…

ソ連のテープレコーダー

Aさんは小さい頃、両親の仕事の都合でソ連時代のロシアの田舎に住んでいたことがある。当時のロシアの片田舎には外国人学校もなく、Aさんは地元の公立小学校に通うことになった。学校では日本人は相当珍しく、アジア系の人種が多いその地域でもAさんは目立っ…

フーという猫

派遣会社に務める京子さんの話。ドライブの帰り、どしゃぶりの雨となった。 路面の状態も悪く、横風も強いなか、京子さんの軽自動車は慎重に山道を下っていた。それでも車体がガタガタと揺れるほどだった。 対向車線から、京子さんとは反対に山道を登ってい…

「ホームページを作っています」

20世紀末から00年代の前半の話をする。かつてWebとは「ホームページ」のことだった。 Web屋とは「ホームページ」と、トップページのFlash、あとはそこに付随するちょっとしたお問い合わせフォームのCGIを設置するか、制作するのが仕事であると思われた時代が…

ロング イナフ

200X 真っ白な大地に長大な人の列がある。 皆、下を向き、前の人の動きに合わせて少しずつ進んでいる。永遠に落ちることのない日が無数の影を落としている。巡礼者の列だ。私は、そこから少し離れた場所で、煙草を燻らせている。 かつては私もあの列にいたの…

スタープログラマの幻影

最近久々に「スタープログラマ」という言葉を聞いた。そういえば、私の中にもかつてそういう存在がいたなあ、と思い出した。 あえて定義することもないが、スタープログラマとは、先進的なOSSプロダクツを実装し、ブログなどでプログラミングを堂々と論じ、…

かくして私は通知を再開した。今月の懺悔

さて、年度末ですね。読者の皆様方におきましては、さぞご多忙のことと存じます。 私は「なろう」小説を書いていました。 Books&Apps様に寄稿させていただきました blog.tinect.jp今月は一本だけですが、1月の勢いで寄稿させていただきました。寄稿する内容…

ディス オールド マン

1 夜の街に降るはずだった雨は、この寒さで雪になってしまったようだった。 人材エージェント会社の営業を待っていた関口は、折りたたみ傘をさしていたが、風に巻き上げられた粉雪のいくつかは、彼の野暮ったいコートに吹き込んでしまう。 地下鉄の入り口か…

Webディレクターだけど、異世界の開発会社に転生した -後編-

www.megamouth.info の続き 宣言(マニフェスト) 夕方、王宮から帰ってきた僕たちを、魔術師たちが心配そうに見ている。あと9日。仕様はかなり簡略化されたとはいえ、この世界の王宮魔術師たちのスキルは未知数だ。皆の深刻な顔を見れば、それでもこのプロ…

Webディレクターだけど、異世界の開発会社に転生した -中編-

megamouth.hateblo.jpの続き 執政官(アドミニストレーター) 翌日、僕とエイダとジャムスは、公爵の館に来ていた。エイダ「あなたの言うとおり、私の伝手で向こうの執政官とは話を通したけど、どうするつもりなの?」と、不安そうに言った。まだ何も成果物…

「作る」こと「語る」こと、その呪い

昔の恋人に名を呼ばれたような気がして、目が覚めた。彼女は時々夢の中に現れる。 そうした時はとても暖かく、いい夢だったと感じる。 おそらくは彼女は既に自分と統合されて内なる神となっていて、私はそれを「アニマ」という聞きかじった言葉で呼んでいる…

Webディレクターだけど、異世界の開発会社に転生した -前編-

megamouth.hateblo.jpの続き 炎上(バーストダウン) マクシミリアン公爵の執務室で、その哀れなエルフは震える手で羊皮紙を、公爵の座る重厚なテーブルに載せた。公爵「ふむ、これが義勇兵募集キャンペーンページの修正後のデザインというわけか」デザイナ…

プログラマの奇妙な待遇

クソ雑魚フリーWebエンジニアである私は、求人サイトが見るのが好きである。自分のスキルや経験を登録しておくと、中年の私にさえスカウトオファーが来るし、そこで提示される最高年収を見てほくそ笑んだり、たちの悪そうな人買い企業がユーザー企業に常駐さ…

かくして私は通知を止めた。今月の懺悔

ようやく、懺悔の時がやってきました。 今月は本当に調子が悪かった。どうも文章に納得がいかないことが多く、もがいていた訳ですが、 アクセス数とか、反響的には、今月のエントリが一番すごかった、というのがなんとも皮肉な印象です。 「なぜプログラマは…

みそねこを偲ぶ

思い出の中にしかいない人、それも面識があったわけではなく、 その「作品」を通じて知っているだけという人がいて、2年ほど前、私は彼の訃報を聞いた。彼の名前は「みらゐ」。ゲームミュージックの作曲家で知られ、同人音楽やバンド活動でもその名を馳せた…

なぜプログラマはあなたの事が嫌いなのか

営業やマネージャーにとって、現場にいるプログラマというのは扱いづらい存在である。飲み会などで、普段の彼らを観察してみると。同じエンジニア同士で固まってボソボソとよくわからない話をして、控えめな声で笑っており、総じて温厚で、扱いやすそうな人…

マッド・ワールド

先輩がデスクにやってくる。 今年四月に入ったばかりの僕のデスクには椅子が一つしかないので、ディスプレイを見るために、先輩は自然と僕の脇にしゃがまなければならない。 それはまるで、先輩が新米エンジニアである僕に跪いているように見える。そうして…

SoundCloudという砂漠

先日、「お前の曲はcoolだ、俺たちがプロモーションしてやる(から金よこせ)」的なスパムメールが来た。 ネットに自分の曲(といっても、もう15年前ぐらいに作った曲ばかりである)を残していた覚えはなかったのだが、 書いてある曲名は確かに私の作った物…

「すごいエンジニア」が目指すもの

crapp.hatenablog.comを読んだ。id:Cedilleさんは、数少ない私の同好の士(一緒にされても困るだろうし、文章も怨念も私のレベルを遥かに凌駕していると思うが)だと感じている方で、 いつも楽しく読ませていただいている。 で、このエントリを読んだ感想と…

Books&Appsに寄稿させていただきました。あと、今年の懺悔

Books&Appsに寄稿させていただきました どういう成り行きによるものか、見当もつきませんが、Books&Appsの安達様にお声がけいただき、この度、拙文を寄稿させていただきました。blog.tinect.jp不倒城のしんざき様や、シロクマの屑籠のシロクマことid:p_shiro…

プログラマの美徳

これの続き 午前2時に目が覚めた。確か悪夢を見ていたような気がする。 目を開けると、寝室の壁中に文字が浮かんでは消える幻が見えた。 僕は特に驚くでもなく、ベッドに身を横たえたまま文字に目を凝らす。 漢字ともひらがなともとれない文字は、全く読み取…

汎用機とその風景

マウント 1999年頃だったと思うが、小学校からの幼馴染と会う機会があった。その頃、私はまだ大学生で、幼馴染は高校を卒業して、なんとか情報サービス、という名前のIT系の会社に就職していた。 思い出話に花を咲かせた後、お互いの近況に話が及んだ。 私は…

沈黙のプログラマ

プログラマと言えば寡黙、というイメージがある。実際のところ、彼らは寡黙というよりはプログラム以外の話をするのが苦手なだけで、専門分野について話を始めると、こちらが驚くほど饒舌であったりもするものだが、アルゴリズムの計算量の話をしない普通の…

例えば勝手に夜が明けてしまうこと

目が覚めた時は、すでに夜の0時であった。 私は、猛烈に腹が減っていた。近所の住人に気が付かれないように、玄関の扉を開けると夜の街が静かに開いた。コンビニにたどり着くと、誰もいない店内で目についた不健康そうな食料をカゴに放り込んで、無表情な店…

Welqは信用できない。では何を信用すべきなのか?

もはや古い話題ですが、WelqというDeNAが運営する医療情報キュレーションサイトが公開停止しました。www.itmedia.co.jp経緯としては、上記の記事なり検索するなりして各自調べていただければいいと思いますが、ようするに、クラウドソーシングで集めたライタ…

0円贖罪という儀式

システム構築の仕事につきものの話で、なんらかの問題があって、システムが納期に納品できない時、または納品したシステムに問題があった、などの事態が起こった時に、この業界で必ずたまに行われることがある。まず、下請けである我々の営業とPM、時には私…

無N.O.の人

「頭の悪い奴にはできないが、本当に頭の良い奴はこんな仕事はしない」とは、ある戦闘機パイロットの言葉らしいが、プログラマも似たようなもので、多くの技術書や、他人のコードを読み下し、膨大な知識を頭の中に放り込まないとまともなプログラムが書けな…

はいはい。みなさん。落ち着いて。

間違いですよ。 詳しくは、書けませんが、先日、僕の方から病院に行ったのです。 相談の内容は、いつのまにかブログがBuzzって1000ブクマとか10万アクセスとかいったことです。 そしたら、逆に疑われてしまいまして、尿検査をうけました。 何の、問題もあり…

消えたプログラマの残したものは

システム開発の佳境に、開発メンバーが突然出社しなくなってしまう。携帯にも連絡がつかず、3日ほど音信不通になったので、さすがに心配になった上司が大家と共に自宅を訪れると、夕日が差し込む部屋の真ん中に、当の本人が何の表情も浮かべずにただ座ってい…

業務改善を現場に求める狂気

前回までのあらすじボトムアップ型業務改善の代表格であるトヨタ式カイゼンが多くのIT企業に適用できないことを悟って絶望するmegamouth。錆びた斧を交換できない木こりはやはり愚昧なのだろうか?それとも我々はトタン屋根の上の猫のように日が傾くことをた…

カイゼンできない業界もあるんですよ

brevis.exblog.jpを読んだ。 要約すると、「業務改善には一時的にコストがかかるけど、そこは頑張ってやらないとジリ貧になるよ」ということなのだが、末端のフリーランスIT土方の立場から言わせてもらうと「知らねーよ」という感想しかない。まあそれだと話…

最近の懺悔、夢日記について

前回のエントリを力を入れて書きすぎてしまった感があって(実際に亡くなった方がいる以上、真剣に書かねばならないのは当然の事ですが) その勢いで書こうと思ったこともあったのですが、今回は特にテーマも決めずにダラダラすることにします。 ブログ読者…

ITシステムは高橋まつりさんを救うことができたか?

最近、電通を始めとするネット広告界隈が騒がしい。私は純然たるWeb屋で、しかもアプリケーションよりの人間なので、アドネットワークもネット広告業界の構造もさっぱり知らないし、電通社員様などという天上人の仕事ぶりなど、それこそ想像すら及ばない世界…

Emacsという沼

最近、マイスリー(睡眠導入剤)の影響なのか決まって悪夢を見る。今日の悪夢は格別で、年下のエンジニア達が口々にEmacsをDisってきて、私はムキになってEmacsではこれが出来る、あれが出来ると主張するのだが、それら全てがSublimeTextで出来ると言い返さ…

大学を中退した男の末路、あるいは瓦礫を歩むということ

幼い頃、私は世界はいずれ滅ぶものだと思っていた。ある日、兄と朝食を食べていた時に、核戦争か何かで文明が滅び去ってしまったら、私は政治家になって瓦礫の世界を復興するのだ、と言った。もし世界が滅ばなかったらどうするのか?と兄はバカにしたように…

なぜ(一部の)人はサービスを作り(作らせ)たがるのか?

最近目についた言葉に「労働者は時間を切り売りする。金持ちは仕組みを作る」みたいなのがあって、言葉そのものについては、はーそうですか。としか高卒フリープログラマとしては言うことがないわけですが、この「仕組み」とITサービスについては言いたいこ…

SIerについて僕が知っていること

getlife.hateblo.jpという記事があって、paizaお得意のポジショントーク煽りにSIerで頑張ってるオジさんがブチ切れといった構図の話なわけだが、元のPDFすら読まずにイケてる環境のWEB系の労働生産性がイケてないSIerのたった三割しかない件 - プロマネブロ…