CRMならSalesforce、勤怠管理ならfreee、在庫管理ならスマレジ。SaaSの世界にも代表選手はいて、その機能や安定性を思えばリーズナブルな価格で提供されている。それでなくとも、業界5位ぐらいまではそこそこ使いやすく、よくメンテナンスされたサービスを使…
放送大学に入るための卒業証明書を取りに約30年ぶりに母校の高校に向かった。無職らしく平日の午後のことだった。 公園や寺院、閑静な住宅の間をしばらく歩いて校門をくぐり、事務室にお伺いをたてると、事前に電話していたこともあって、事務員は訳知った顔…
息子がずっとパソコンに向かっていて困っています。 暇さえあれば緑色の英字だらけの真っ黒な画面を見つめていて、正直言って、傍から見ていて異様ですし、少ない家族との会話の間も心ここにあらずといった様子です。 昨日など、私との会話を途中で打ち切っ…
大阪には環状線という全長20kmほどの路線があって、昔、その線路沿いを友達と3人で徒歩で一周したことがある。 どういう理由だったかは覚えていない。多分3人が3人とも暇を持て余していて、いつもの遊びを繰り返すのにも飽きてしまったぐらいの理由だったと…
そのタイ人の女とモニター越しに出会ったきっかけはSkypeMe!だった。SkypeMe!というのは初期のSkypeについていた機能で、自分のステータスを離席中とかオンラインからニッコリマークのSkypeMe!に変えると、「今なら誰でも話しかけてOK!」という意味になって…
AIブームである。私のような場末のエンジニアにまで、AI案件の話が飛んでくる始末だ。AI案件とは、だいたいにおいて、「ChatGPTのようなAIに我が社の長年の課題(属人化している業務や、時間のかかる業務)を代替させ、業務効率化を図る」という趣旨になって…
連日、アメリカ大統領の発言がニュースになる。クルーグマン氏によると、彼は「完全に狂っている」そうだが*1、将来ビザが下りなくなる事態を避けたい*2私としては、トランプ大統領が、正気なのかそうでないかをはっきりと断定することはできない。ただ、上…
昔DeNAの新人が入社後半年だかの振り返りのプレゼンの中で「うまくモチベーションが上がらなくて」ということを言った時に、南場社長が「社会人がモチベーションで仕事をするな」とすごく怒ったという話*1があって、とても印象に残っている。また、これは実…
ITシステムを必要としている企業は多くある。 そして私の頭の良さもそれなりに知れ渡っているものだから、相談に乗ってほしいと言われることがあって、その度にノコノコと出かけていく。今回の相談は、受発注システムの非属人化だ。本来のそれは古い基幹シス…
以下は、一風変わった技術本をzennあたりで書こうと思って書いた序文である。 AIの台頭で技術本のアイデアは霧散したので、ここに残すことにした。プログラマとしての仕事を辞めて半年ほどで預金がつきた。前の職を欠勤、欠勤、そのまた欠勤で辞めたせいで、…
ずっと更新していなかったブログを、金を払うのさえ忘れてしまってアドレスすら変わってしまったこのブログに新しくエントリを追加する気になったのは、どうも自分は死ぬらしい、と思ったからだ。 誤解のないよう付け加えると、今死にたいとか何か深刻な病気…
IT人材が不足してるんだって。零細Web制作会社で言えば、退職者が残したubuntu12サーバーに眠るRails5アプリをすぐにDDDでマイクロサービスに再構成して、jQuery満載のコードを全て読み下したうえで、フロントエンドをReactかなんかのSPAに全部書き換えて、E…
「事業のわかるITエンジニアが全然いない」問題というのがある。 Twitterあたりでは割と禁句というか、ほぼ確実に荒れる話題で、言えば燃える。 誰かの言葉を引用するのも差し障りがあるので、頑張って再現してみると エンジニアは文句ばっかりで、マネジメ…
今だから白状すると、昔、運営していたサービスの一般ユーザーのパスワードをハッシュ化(暗号化)せずに平文でDBに保存していたことがある。言いわけは、幾つかある。 一つは、今では当たり前のようについているパスワードリマインダーの仕組みが当時は一般…
お久しぶりです。 この懺悔と称する、埋め草のエントリー。それほど意味がないし、何より自分で読み返しておもしろくないので、もうやらないつもりだったんですが、うっかりカクヨムのほうに小説を載せてしまって、このブログからリンクがないのも不親切な気…
中年になったのでソリティアおじさんになりたい、と思った。西日差す窓際で、Windowsに入っているソリティアというゲームを日がな一日やり続けて、給料を貰っているおじさんにである。ソリティアおじさんは伝説の存在だ。私も実は、目にした事はない。主に大…
就職することになって、つまりは私が職業プログラマになって、それを聞き知った叔父が私を訪ねてきた。「プログラマってのは、若いうちはいいが、長くはできないんだろう?」リビングの炬燵に潜り込んだ叔父は寒そうに体を震わすと、最初にそう尋ねた。 当時…
久しぶりなので、どうでもいい話をする。 大昔、たまたまつけたTVに『ですよ。』という芸人が映っていて、漫談というのかコントというのか、お笑い番組だったから、とにかくひょうきんなことをやっていた。 どういうものだったか、書くのも面倒なので、Wikip…
あるいは私たちがPKIについて説明し続けなければいけない理由 Web屋のなくならない仕事の一つに「SSL証明書とPKIについて説明する」というのがある。 世の中のサイトはだいたいhttps://というアドレスでつながるように出来ていて、httpsでつながるということ…
奇妙な夢を見ていた。昔住んでいた子供部屋の窓から、降りしきる雨を見ている夢だった。 雨は随分前から降り続けている。外を見下げるとアスファルトに薄い雨の膜が出来あがっていて、濁った水が側溝の格子から際限なく運び去られていく。それでも雨の勢いが…
松田部長 お疲れ様です。システム戦略グループの山下です。最終出社日についてのお返事ありがとうございました。 先日ご連絡した来年1月20日を最終出社とする退職は難しい、とのご回答でしたが、申し訳ありません、こちらとしましても、諸事情を考慮のうえ、…
id:cildさんが久しぶりにブログを更新して、それが実に良かった。 だって 鉄の棒でそこらじゅうを狂ったように叩きまくって、大声で罵倒した。そして最大ボリュウムで「二度とオレに指図するな!」と10回くらい怒鳴った。 だぜ?人がキレているのを見ると…
入った会社はWebサービスをやっていた。アクセスカウンターとかレンタル掲示板みたいな、そういうプリミティブな感じのウェッブ。今でも化石みたいに残っているとこがあるよね。teacupとか。もうないか。 当時はそういうことをしている会社をASP(Applicatio…
最近、若手のプログラマと仕事をしていると、フレームワークやライブラリの知識はあるのですが、常識が欠けているのではないか、と思う事があります。 業界経験の長い私たちから見ると、ほぼあり得ないようなことを、論理的な正しさだけを基準に決めつけてし…
ネットバブル前夜、ホリエモンの会社がまだオン・ザ・エッジと呼ばれていた頃、パイナップルカンパニーというWeb制作会社が神戸にあって、社長のおじさんは、ナウいホームページを作ることにかけては関西随一と呼ばれていたその会社に見積もりを依頼したらし…
お盆前進行に入り始めた社内。皆忙しそうにしているが、私には仕事がなかったので、開発研究部署に移ってみた。 部内の机は埋まっていたが、ふと見ると、誰も座っていない机に高性能そうなフルタワー筐体が置いてあった。隣に壮年のエンジニアが座っていた。…
平成が終わるというのに、暗い話題ばかり目につく。おおまかに言って、アラフォーは自分たちの老後はどうなるのかと、心配しているし、若い人はそもそも結婚して子供を作れるのかと、疑問に思っているし、年金世代は死ぬまで今の生活を続けられるだろうかと…
曖昧な男だった。 真っ暗な客席が取り囲む舞台の中心に立って、スポットライトで照らされた黒いスーツの輪郭が、強すぎる光に半ば溶けていた。男は手を後ろにまわして、観衆の凝視を楽しむように、静止している。 時々、遠くを見るように顔を上げ、肩より上…
喫茶店で紅茶を飲んでボーとしていると、隣席に男性二人組が座った。 両方とも中年から老人にさしかかった齢に見え、体格に合わせた肩幅の広い良いスーツを着ているが、どこか下卑てもいて、一見して中小企業の経営者仲間に見えた。二人の声が大きいので、そ…
この業界に入る前、私はいわゆる電電ファミリーと呼ばれるNEC、富士通、OKI、日立のような巨大ベンダーには、さぞかしハイレベルな開発体制があって、マネージャーから一兵卒に至るまで中小零細とは全く異なる頭の良い人たちが、日夜世界を相手にしのぎを削…